フォークリートトレーニング参加者インタビュー「ボーンクリート・トーマスさん」②
(前回からの続き)
(前田)
フォークリートを選ぶユーザーにとっては、コストはあまり関係ないのですね。
(トーマス)
そうです。フォークリートを選ぶユーザーは高級住宅のエンドユーザーやデザイナーですが、彼らのほとんどがクオリティを求めており、コストは気にしません。
(前田)
話を戻しますが、フォークリートについて本格的にお知りになったのは一年位前でしたっけ?
(トーマス)
はい、一年ほど前にあるデザイナーから問い合わせをいただいた時と同じ頃、インスタグラムでフォークリート社が投稿した写真や動画を目にするようになりました。特に動画で施行事例が紹介されていて、それを見て驚いた私はすぐにイギリスのフォークリートへコンタクトしたのです。フォークリートのジョージと話をして、香港でフォークリートを施工したいと相談したところ、日本で三豊工業が代理店をやっているので紹介していただきました。
(前田)
ところで、これまでにフォークリート以外のマイクロセメントをお試しになったことはありますか?
(トーマス)
あります。スペインのトップセメントや、レバノンのトップクリートなどを試したことがあります。いずれもコスト的にはフォークリートよりも安いのですが、クオリティは劣っていると言わざるを得ません。トップセメントは、香港の別の資材商社が取り扱いを始めたこともあり、香港での認知度が少しずつ広まってきています。いずれにせよ、香港におけるマイクロセメントの認知度はまだまだであり、市場的には未開拓であると言えるでしょう。
(前田)
と言うことは、フォークリートも香港ではまだ知られていないのですね?
(トーマス)
ほとんどと言うか、まったく知られていません。香港でフォークリートの認知度を高めるのが私たちの最初の仕事です。香港市場は、良くも悪くも動きが非常に速いです。モノが良ければすぐに拡がる素地があります。一方で、香港のビジネスマンは面倒なことが嫌いです。フォークリートのトレーニングを受けてまでフォークリートを販売しようという人は少数です。しかし我々は、喜んでトレーニングを受け、確実にフォークリートの市場を拡げてゆきます。

(前田)
将来的に香港の人達はマイクロセメントを今よりも多く使うようになると思いますか?
(トーマス)
思います。私が日本にまできてフォークリートのトレーニングを受けているのは、それが理由です。
(前田)
将来的に香港でマイクロセメントはどこで使われるようになると思いますか?
(トーマス)
どこで使われるようになるかは別にして、香港ではまずはマイクロセメントの広告宣伝と啓蒙活動が必要です。インスタグラムなどのソーシャルメディアを活用して、多くの情報を発信してゆく必要があります。そのような活動を続けて、一年後くらいにはビジネスの芽があちこちで出始めると考えています。
(前田)
日本では、住宅や宿泊施設などのバスルームでフォークリートを使うニーズが増えてきています。香港でも同様にバスルームでフォークリートを使うニーズが増えると思いますか?
(トーマス)
香港でも「バスルーム全体」で使われる可能性が高いと考えています。「バスルーム全体」とは、バスルームの床、壁、天井と、バスルームのすべてと言う意味です。マイクロセメントの最大のメリットの一つが「シームレス」であるということです。シームレスなデザインが求められる空間においては、特にバスルームのような空間においては、シームレスなマイクロセメントが多用されるようになると思います。バスルーム以外にも、シームレスで、かつ防水性が求められる現場でマイクロセメントに対するニーズが増加すると思います。
(前田)
バスルーム以外の現場では、例えばどんな現場が考えられますか?
(トーマス)
防水性が求められるショップなどでも使われる可能性があります。例えばフィットネスセンターなどです。香港のフィットネスセンターにはジムのほかに温水プールやシャワールームが併設されています。そうした現場では床に加えて壁や天井なども防水性が求められます。そのような現場でマイクロセメントが使われる可能性があります。極端な話、現時点においてタイルで作られた床や壁の現場でメンテナンス上の問題を抱えている現場であれば、さらにそれなりの防水性が求められている現場であれば、さらにタイルなどよりももっと仕上がりや景観の美しさが歓迎される現場であれば、すべからくマイクロセメントで置き換えられる可能性があります。今から三年もすれば、香港におけるマイクロセメント市場はそれなりの規模に拡大していると思います。
(前田)
トーマスさんは香港におけるマイクロセメントのエバンジェリスト(伝道者)になる可能性が高いですね。本日は有意義なお話をお聞かせ下さり、誠にありがとうございました。トーマスさんの香港でのご活躍を大いに期待しています。
(トーマス)
こちらこそ、ありがとうございました。
(取材協力)
香港ボーンクリート社トーマスさん
https://borncrete.com/
(執筆者)
経営コンサルタント 前田 健二(まえだ・けんじ)
大学卒業と同時に渡米し、ロサンゼルスで外食ビジネスを立ち上げる。帰国後は複数のベンチャー企業のスタートアップや経営に携わり、2001年に経営コンサルタントとして独立、新規事業立上げ、アメリカ市場進出を中心に支援を行っている。
