フォークリートについてのよくある質問と答①
前回、前々回と二回に渡ってマイクロセメントについての基本的な情報をお伝えしてきました。数あるマイクロセメント製品の中でも、イギリスで開発されたマイクロセメント「フォークリート」は材料すべてがエポキシ樹脂と骨材で構成されており、水が浸透しない100%防水を実現していることなどをご紹介しました。今回は、そんなフォークリートについて寄せられるよくある質問を取り上げ、その答を三豊工業の佐藤俊也社長におうかがいしてきました。
質問1. フォークリートの費用について教えて下さい。材料費や施工費など、平米単価でどのくらいでしょうか。
答:費用について画一的なお答をすることは困難です。施工箇所(床、壁、天井、テーブル、洗面台等々)、面積、施工方法などによって千差万別であり、また仕事を請ける状況(現場の状況や環境など)などによっても単価が変動します。それゆえ、基本的には現場ごとに個別にお見積りをお出ししています。全般的に言えるのは、施工面積が4-50平米程度あれば職人さん数人で一週間程度かけて行うというイメージができるといった感じです。
一般論としては、フォークリートのコストは決して安くはありません。安価な壁紙やクロスなどの10倍から20倍程度はするといってもいいでしょう。高級輸入タイルを貼るのとコスト的には同じような感覚だといえるかも知れません。
質問2. 趣味でキッチン家具を作っています。フォークリートを個人がDIYで使うことは可能でしょうか。
答:できません。フォークリートはプロの職人専用の製品であり、指定のトレーニングを受講された方にのみ販売しています。フォークリートの施工品質を一定水準に保つのが目的です。
質問3. フォークリートを施工する場合、下地は何でもいいのでしょうか。
答:下地は基本的には何でもいいのですが、おすすめはセメントボードを下地に使うことです。セメントボードは「フレキシブルボード」の一般名称で呼ばれています。セメントボードはセメントを圧縮して固めたボードです。通常は床や壁に貼って使用されています。
セメントボードを下地にする場合、二重張りにする必要があります。セメントボードを1枚しか張らないと板の継ぎ目が動いてしまい、上に塗った仕上材が割れてしまうことがあるため、二重に張るのです。隣り合う板の継ぎ目が下の板にまたがって固定されることにより、上の板が動かないようにします(下図参照:黒が下の板、赤が上の板)。

セメントボードを下地に出来ない場合は、普通の合板でも大丈夫です。セメントボードがコスト的に合わないといったケースでは、合板を下地にするといいでしょう。
いずれにせよ、どんな下地にするにせよ、たわまない、ゆがまない程度の一定の強度が必用です。下地の強度不足をフォークリートで補うといったやり方は絶対におすすめできません。また、乾燥が不十分な下地(モルタルの下地で乾燥していない状態など)では施工できません。さらに強度不足の発砲スチロールの下地などにも施工できません。
質問4. フォークリートのトレーニングについて、スケジュールや費用などの概要を教えて下さい。
答:フォークリートのトレーニングは二泊三日の工程で、実際の施工研修を含めたワークショップになっています。費用は一社あたり26万円(税別)です。一社最大二名まで参加できます。トレーニングは原則毎月第一と第三の週に開催しています。
質問5. フォークリートをキッチンの床での使用を検討しています。油染みなどは付きますか。
答:世界中に存在するすべての油を検証したわけではないため、確としたことは言えませんが、フォークリートはエポキシ樹脂をメインの素材としているため、油などの成分が物質的に染み込むことはないです。当社では実験としてフォークリートを塗布したサンプルを食用油に一年間漬けていますが、今のところ染みていません。一般的な油であれば、恐らく問題ないと思われます。
質問6. フォークリートは外壁にも利用可能でしょうか。
答:外壁にもフォークリートは利用可能です。ただし、施工に手間暇がかかるので大変です。一定の面積をやる場合など、ブルーシートで直射日光をカバーするなどの必要があります。フォークリートはもともと内装材ですので、外壁で使用するには注意するポイントがあります。
質問7. フォークリートは施工技術的に難しいですか。未経験者でも出来ますか。
答:難しいと思います。モルタルやセメントと違い、フォークリートは「塗料をコテで塗る」という感覚なので、施工的に難しいです。モルタルとの違いは一度に厚く塗れないことです。モルタルのように厚く塗って下地の凹凸を隠してしまうことができません。従って、わずかな厚みの塗料を何層にも塗って1層ごとに研磨して丁寧に平滑にする必要があり手間がかかります。
質問8. フォークリートの材料だけを購入できますか。
答:できません。トレーニングを受けていただいた方にのみ販売しています。仮にご購入いただいたとしても、フォークリートは材料の種類も多く研磨用工具も専門的な工具を必要とするため、全く施工できないと思います。
質問9. サウナでの利用を検討しています。ドライサウナの壁に利用は可能ですか。
答:フォークリートは世界中のスチームルームで使われており、普通のサウナであれば利用可能です。人間が普通に活動できる環境であれば問題なく利用できます。
質問10. 防水性などの、施工後の性能保証はありますか。
答:一般的な意味での防水保証などはしていません。フォークリートは仕上材であり、防水材ではないのがその最大の理由です。

(取材協力)
株式会社三豊工業代表取締役社長佐藤俊也氏
https://sanpou.biz/site/
(執筆者)
経営コンサルタント 前田 健二(まえだ・けんじ)
大学卒業と同時に渡米し、ロサンゼルスで外食ビジネスを立ち上げる。帰国後は複数のベンチャー企業のスタートアップや経営に携わり、2001年に経営コンサルタントとして独立、新規事業立上げ、アメリカ市場進出を中心に支援を行っている。
