コンクリートが使われている場所
これまでの記事でコンクリートのメリットとデメリットについて解説させていただきました。コンクリート舗装には高い耐久性、低いメンテナンスコスト、走行車両の高燃費効率などといった優れたメリットがある一方、交通解放の遅さ、イニシャルコストの高さ、補修の難しさといったデメリットがあります。コンクリートをどこでどう使うかはユーザーの目的によりますが、コンクリートは道路舗装など以外にも広く使われています。今回は、コンクリートが使われている場所について解説します。
建物の基礎
建物を建築する上で基礎は欠かせないものですが、基礎作りには古くからコンクリートが使われています。建設・土木の世界においてコンクリート基礎の歴史は相当古く、古代ローマ時代には土台に敷き詰めた天然石にコンクリートを流し込んで固めた、現在のコンクリート基礎の原型のようなものが使われ始めていたとされています。その後約2千年の時を経て1800年代にポルトランドセメントが発明されてコンクリートが世界的に爆発的に普及、各種建物の基礎に広く使われるようになりました。
日本でも明治時代に西洋から鉄筋コンクリート建物の仕組みを輸入し、同時に住宅を含む建物のコンクリート基礎が普及し始めました。地震大国日本ではたびたび大きな地震に見舞われますが、1923年9月1日に発生した関東大震災が、多くの木造建築を倒壊・消失させたことから、コンクリート基礎の耐震性に注目が集まり、コンクリート基礎の本格的な普及が始まる一因となったとされています。

建物の床
一般的に鉄筋コンクリート建物の床のことをスラブ(Slab)と呼びますが、ほとんどのスラブはコンクリートで作られています。建設・土木の世界では、「スラブ」とは鉄筋コンクリート製の床・屋根の事を意味します。超高層ビルの高層階の床などでは、コンクリート製スラブではなくポリスチレンブロック製のスラブなどが使われたりするケースもありますが、極めてレアケースであると言っていいでしょう。コンクリート製スラブ以外のスラブを見つけるのが極めて困難なほど、コンクリート製スラブは一般的に使われています。
コンクリート製スラブは、コンクリートがもともと持っている圧縮強度と、鉄筋の引っ張る力に強い特性を併せ持っているため、変形しづらく歪みに強いという優れた特徴があります。また、遮音性にも優れているため生活音や衝撃音などが抑えられ、入居者や利用者などの負担を軽減することも期待できます。

駐車場
駐車場にもコンクリートが多く使われています。道路舗装と同様に、駐車場にもコンクリートとともにアスファルトも多く使われています。アスファルトにはイニシャルコストが比較的安い、工事が比較的簡単である、交通解放が早くできるといった優れたメリットがありますが、色が基本的に「黒基調」でバリエーションが少なく、ファッション性に乏しいといったデメリットがあります。一方、コンクリートの駐車場は外観が比較的明るく、カラーリングや装飾などが施しやすく、耐久性に優れているといった優れたメリットがあります。
一般論としては、ある程度の規模の駐車場で、可能な限り早く交通解放をしたいといったケースではアスファルトが、一方規模はそれほど大きくなく、見た目やデザインを重視した駐車場や耐久性に優れた駐車場を作りたいといったケースではコンクリートが、それぞれ適しているようです。特にデザインを重視したケースにおいては、カラーリングや後述するスタンプコンクリートなどの多彩な装飾が施せるコンクリートの方が様々な点においてアスファルトよりも優れていると言っていいでしょう。

テーマパーク
意外に思われる方が少なくないと思いますが、テーマパークなどのアミューズメントパークでもコンクリートが多く使われています。その最大の理由がコンクリートの強い耐久性です。アメリカには400以上のテーマパークがあるとされていますが、合計して年間3億7500万人もの人が訪れているそうです。特にネズミのキャラクターで有名なフロリダのテーマパークには年間1億2000万人が訪れているそうです。テーマパークは非日常性を売り物にしている場所ですが、実際に非日常的な数のビジターが訪れる場所でもあります。広さ403エーカーの巨大な敷地を毎年日本の総人口に匹敵するビジターが訪れているのですから、そのフットトラフィックの総量たるや想像を絶するものがあります。
コンクリートが持つ強い耐久性に加えて、カラーリングなどの装飾性の豊かさもテーマパークでコンクリートが使われている理由です。メジャーなテーマパークの多くはエリアごとに違ったテーマでデザインされています。例えば、アフリカのジャングルをテーマにしたアトラクションなどでは、限りなくアフリカに近い状態で仕上げられる必要があります。コンクリートが持つデザイン上の自由度は、施主が指定する厳しいデザインや条件をクリアできるソリューションを提供できるのです。

(参照サイト)
https://leelefever.com/history-concrete-house-foundation/
https://www.tobicho.jp/blog/kiso/112103
(執筆者)
経営コンサルタント 前田 健二(まえだ・けんじ)
大学卒業と同時に渡米し、ロサンゼルスで外食ビジネスを立ち上げる。帰国後は複数のベンチャー企業のスタートアップや経営に携わり、2001年に経営コンサルタントとして独立、新規事業立上げ、アメリカ市場進出を中心に支援を行っている。
