アスファルトのデメリット
前回の記事で、世界中の道路舗装などに広く使われているアスファルトのメリットについて解説しました。コスト特にイニシャルコストの安さ、工期の短さ、車両等の走行時の静寂性、メンテナンスが簡単といった複数のメリットを持つアスファルトですが、一方でデメリットは何でしょうか。今回は、アスファルトのデメリットについて解説します。
耐久性や耐熱性に劣り、定期的なメンテナンスが必要
アスファルト最大のデメリットは、アスファルトは耐久性や耐熱性に劣り、定期的なメンテナンスが必要なことです。実際にアスファルト舗装は、特に交通量の多い道路に施されたアスファルト舗装は、車両などの交通による負荷を受けると急速に劣化してゆきます。長期に渡って負荷を受け続けるとひび割れや穴が生じ、車両などの通行にも影響を与えます。そのため、ひび割れなどを補修したり、防止するための定期的なメンテナンスが必要になります。
また、アスファルトは熱に弱いのもウィークポイントです。アスファルト自体柔らかいので、高温の状態が続くと変形するリスクがあります。最近は気候温暖化が世界的に進行していますが、特に真夏の直射日光を受けて表面が高温の状態が続くと、凹凸が生じたり変形したりしてしまいます。

寿命が短い
耐久性や耐熱性に劣るというアスファルトのデメリットは、そのままアスファルトの寿命の短さに直結します。アスファルト舗装の法定耐用年数は10年で、コンクリート舗装の15年よりも5年短く規程されています。
NEXCO東日本は公式のウェブサイトで、寄せられた「高速道路のアスファルト舗装は何年もつのですか?」という質問に対し、「アスファルト舗装は10年程度の耐久性を保つよう、設計されています。(中略)舗装の壊れ方にはいろいろあって、それぞれの地域の気象や交通量により多少の差異はありますが、アスファルト舗装はおおよそ10年~15年で修繕しています。なお、コンクリート舗装やコンポジット舗装は15~20年程度の耐久性を保つよう、設計されています」という回答を公開しています。法定耐用年数と同様の数字が示されていますが、「アスファルト10年、コンクリート15年」は、道路舗装の世界では一般論として広く認識されているようです。

基本的に黒色で、色のバリエーションが少ないなどデザイン性に劣る
アスファルトは基本的に黒色で、色のバリエーションが少ないなどデザイン性に劣るのもデメリットです。筆者は三年ほど前に、静岡県富士市を地盤とする道路舗装会社の社長にインタビューをしたことがあります。主にアスファルト舗装を中心に行っている地元密着型の会社ですが、長らくアスファルト舗装の仕事をやってきてどう感じましたかという筆者の質問に対して、次のようにお答えになったのでした。
「これはアスファルト舗装の仕事をしている人ならわかると思いますが、長年アスファルト舗装の仕事をしてきた中で、「黒いアスファルト」にうんざりしていたのもあると思います。アスファルト舗装の仕事はある意味単調です。熱くて黒いアスファルトを敷き、慣らしてゆく。時には「一生これをやり続けるのか」という気持ちになることすらあります。特に忙しい年度末などは、そうした気持ちになることが多々あります」
「アスファルトは熱くて黒い」がすっかり身に付いてしまった感がありますが、実際にアスファルトは、コンクリートなどと比べて色のバリエーションが圧倒的に少なく、デザイン上不利になるケースが少なくないようです。

重量がかかる場所には使えない
アスファルトは、一般的に重量がかかる場所には使えないのもデメリットです。素材としてのアスファルトはもともと柔らかく、また舗装工事でコンクリートなどのように鉄筋を使用しないため、重量がかかる場所には適さないとされているのです。
空港のエプロン(空港のターミナルや格納庫、あるいは整備施設などが設置された広場の総称。巨大な重量物である航空機や航空貨物が日々行き交う)やコンテナヤードといった施設においては、従来からコンクリート舗装が用いられてきています。アスファルト舗装では何百トンとある航空機の重量に耐えられないからです。また、コンクリート舗装は、大型バスやトラックなどの大型車両が多数行き交う高速道路のサービスエリア内の大型駐車場などでも使われています。

適材適所でアスファルトの活用を
以上、アスファルトのデメリットについて解説させていただきました。アスファルト舗装はイニシャルコストが安く工期が短いなどのすぐれたメリットがある反面、耐久性や耐熱性に劣り、寿命が短く、デザイン性に乏しく、さらに重量がかかる場所には使えないといったデメリットがあります。どの場所でどのような工事を、どの素材を使って行うかについては、「適材適所」で行うしかないと言わざるを得ないようです。
次回は、アスファルトと並んで舗装工事で使われるもう一つの定番のコンクリートについて解説いたします。
(参照サイト)
https://www.cs3.e-nexco.co.jp/faq/s/topic/0TO10000000Rt73GAC/%E9%81%93%E8%B7%AF%E5%85%A8%E8%88%AC
efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.zennama.or.jp/faq/pdf/Q-0102.pdf
(執筆者)
経営コンサルタント 前田 健二(まえだ・けんじ)
大学卒業と同時に渡米し、ロサンゼルスで外食ビジネスを立ち上げる。帰国後は複数のベンチャー企業のスタートアップや経営に携わり、2001年に経営コンサルタントとして独立、新規事業立上げ、アメリカ市場進出を中心に支援を行っている。
