「コンクリート」とは何か?

筆者は、当ブログの主催者である三豊工業株式会社と10年以上お付き合いさせていただいておりますが、建設・土木業のまったくの部外者である筆者は当初、「コンクリート」とは何かについてほとんど知識を有していませんでした。そう言う今でも「コンクリートとセメントは何が違うのか?「コンクリートを構成している物質は何か?」などと本質的なところを質問されれば、正しく答えられるか正直自信がありません。

今回は、日本を代表する舗装資材のもう一つの雄である「コンクリート」につき、基本点などを整理してまとめてみました。

「コンクリート」とは?

ブリタニカ英語辞典によると、コンクリート(Concrete)とは、セメント(Cement)などの結合材を骨材(Aggregate)と呼ばれる砂や砂利または砕石、および水を混ぜ合わせて作られた建設・土木用複合資材(Composite material)です。結合材の種類によって「セメントコンクリート」「アスファルトコンクリート」「レジンコンクリート」などに分けられますが、一般的に建設・土木の世界では、「コンクリート」と言えばセメントをベースにした「セメントコンクリート」を意味します。

コンクリートの歴史は古く、2700年前頃のバビロニア時代にはすでに粘土などの結合剤を砂や水で混ぜ合わせた原始的なコンクリートが使われていたことが判明しています。その後知識を継承したローマ人が火山灰、石灰、砕石を水で混ぜ合わせた「ローマ・コンクリート」を建築物などに広く用い始めたことによりコンクリートが世界的に使われる先駆けとなります。現在のイタリアでは、当時の「ローマ・コンクリート」を使って建てられたパンテオンやコロシアムなどの歴史的建造物が多く残されています。コンクリートの基本的な強さを証明する歴史的証拠として、非常に価値あるものと言えるでしょう。

「セメント」とは何か?

では、コンクリートを構成する主な原料の「セメント」(Cement)」とは何でしょうか。セメントは上述の通り、コンクリートを構成する結合材です。セメントの主な原料は石灰的です。石灰石は日本全国どこでも採掘できるため、セメントは日本のほぼすべての場所で生産可能です。石灰石に粘土や酸化鉄などを混ぜ合わせ、焼いたものにさらに石膏などを加えて「セメント」が作られます。

なお、最近は粘土の代わりに火力発電所で排出される石炭灰や、建設現場で発生する建設発生土などを原料として使うエコフレンドリーなセメントなども作られています。

現在もっとも一般的に使われているのが「ポルトランドセメント」(Portland cement)と呼ばれるタイプのセメントですが、19世紀前半にイギリスのレンガ職人のジョセフ・アスプディンが発明しました。アスプディンは、自宅の薪ストーブを使い、粉砕した石灰石と粘土を焼き、乾燥させて現在使われているセメントとほぼ同じものを作りだしたとされています。

「モルタル」とは何か?

「コンクリート」「セメント」と並び、「モルタル」も建設・土木の世界では一般的に使われています。「モルタル」(Mortar)は、コンクリートと同様に、主たる原料はセメントです。セメントに直径5ミリメートル以下の大きさの砂と水を混ぜたものが「モルタル」で、セメントに砂と水、さらに骨材として砂利や砕石を混ぜたものが「コンクリート」です。混ぜ合わせたものの中に骨材が一定量含まれていれば「コンクリート」、含まれていなければ「モルタル」と考えて問題ないでしょう。

建設・土木の現場で様々な用途に広く使われ、一般的にその名が知られているコンクリートに比べて、モルタルはその知名度が低く存在感も薄い印象を受けます。一般的に、モルタルはレンガやブロックなどを積み上げる際の目地として使用されたりしています。また、外壁などでコンクリートの仕上げ材としてモルタルを使う「モルタル外壁」などに使われたりしています。「似て非なるもの」と言うべきモルタルとコンクリートですが、コストや用途などにおいて大きな違いがあります。

日本のコンクリートの歴史は1873年から

日本のコンクリートの歴史は、1873年に東京都江東区深川に官営のセメント工場が設立されたことに端を発します。当初は建物の建築などで使われていたセメント=コンクリートは、その後1900年頃から鉄筋コンクリートとして使われ始め、徐々に用途を広げてゆきました。1910年頃に長崎の軍艦島に建設された鉄筋コンクリート団地は、今もその原型をとどめていますが、その頃から日本においても建設・土木の幅広い分野でコンクリートが多用されるようになっています。

日本におけるコンクリートは、その後も進化を続け、今日では鋼等の短い繊維を入れた、通常のコンクリートの7.5倍以上の強度を有する「UFC(超高強度繊維補強コンクリート)」なども開発され、超高層建築物の建設などに使われています。

以上、「コンクリート」の基本を解説いたしました。次回は、「コンクリート」とりわけ「コンクリート舗装」のメリットについて解説します。


(参照サイト)
https://www.britannica.com/technology/concrete-building-material
https://www.sumitomo.gr.jp/kids/shikumi/soc02.html
https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h30/hakusho/r01/html/n1121c01.html


(執筆者)
経営コンサルタント 前田 健二(まえだ・けんじ)
大学卒業と同時に渡米し、ロサンゼルスで外食ビジネスを立ち上げる。帰国後は複数のベンチャー企業のスタートアップや経営に携わり、2001年に経営コンサルタントとして独立、新規事業立上げ、アメリカ市場進出を中心に支援を行っている。

2024.07.12