ペーパーコンクリート

ペーパーコンクリート

ペーパーコンクリートとは

ペーパーコンクリートは現場に流し込んだ生コンやモルタルがまだ完全に固まる前に、
レンガやタイル、天然石などの厚紙でできたデザイン型紙を生乾きのコンクリートの
表面に敷きこんでその上から全体を着色し、コンクリート表面に型押しで
石肌のテクスチェアを施して型紙を剝がすことで模様を造りだす工法です。

型紙がレンガ貼りやタイル、天然石貼りの目地部分のデザインになります。
型紙の部分にだけ色がつかないことでデザインが表現できる仕組みです。
型紙を使ったシャープな目地デザインとスタンプコンクリートの型押し技術を組み合わせた工法です。

スタンプコンクリートに比べ凹凸がなく、仕上がりがフラットでタイル貼りに近いイメージです。
ステンシルコンクリート、ペーパーステンシルなどの名称の製品も基本的には同等の製品です。

  • 施工風景
  • 施工風景
  • 施工風景

ペーパーコンクリートの特徴
  • 歩きやすいフラットな仕上がり

    歩きやすいフラットな仕上がり

    スタンプコンクリートに比べると仕上がり面が均一で比較的フラットなので公共施設や集合住宅,ショッピングモールなどバリアフリーを意識した場所にお使いいただけます。

  • 複雑な形状の敷地に対応

    複雑な形状の敷地に対応

    型紙はハサミで簡単に切れますので、曲線の敷地や立ち上がり部やヤクモノなどが多い場所など施工しにくい場所でも収まりやすい仕上げ材です。

  • 初期投資が少ない

    初期投資が少ない

    スタンプコンクリートを行うためには半永久的に使える多種類のゴム型枠をそれなりに買いそろえる必要がありますが、ペーパーコンクリートは現場ごとに消耗する型紙を使用しますので、年間の施工回数がそれほど多くない方でも初期投資がほとんど必要なく取り組みやすい工法です。

  • 素早い施工

    素早い施工

    コンクリートを流し込んで型紙を敷きこむため、石やレンガをひとつづづ貼っていくのに比べ、施工が早いのも魅力です。条件が整えば1日当たり100㎡以上の型押しも可能です。大面積の現場や工期のない現場でのVE案としても最適です。

  • 色分け、模様分けがしやすい

    色分け、模様分けがしやすい

    型紙は簡単に切れるので、自由な配置が可能です。 スタンプコンクリートに比べてボーダー部分を色分けしたり、アクセントで違うパターンを使ったりと自由なデザインがしやすい。

  • 耐久性にすぐれ、美しさが長持ち

    耐久性にすぐれ、美しさが長持ち

    ペーパーコンクリートが施工された舗装面は、普通コンクリートの2~3倍の耐磨耗性があり、ほこりが出にくく、紫外線に強く色褪せしにくい舗装材です。 着色剤を未硬化のコンクリートに直接擦り込むように仕上げますので、剥がれず、色落ちもしにくいものです。 


ペーパーコンクリート施工の流れ
  • コンクリート打設

    01.コンクリート打設

    施工箇所に生コンを打設します。
    表層の砂利を十分に沈め、水勾配に注意しながら、トンボや鏝を使い平滑に均します。
    コンクリートの配合は呼び強度21N/㎟以上、スランプ8〜18cm程度のものを気象条件、現場状況などに合わせ選定します。

  • ペーパーテンプレート設置

    02.ペーパーテンプレート設置

    打設した生コンのブリージング(浮き水)が落ち着いたころにペーパーテンプレートを敷きこみます。
    テンプレートの上から鏝やローラーを使って軽く押さえて、コンクリートの水分を利用してペタっと貼り付けます。

  • カラーハードナーX散布・鏝押さえ

    03.カラーハードナーX散布・鏝押さえ

    敷きこんだペーパーテンプレートの上からコンクリート面全体にカラーハードナーXを均一に散布します。
    コンクリートの水分を吸って色が濃くなったら、鏝やトンボを用いてコンクリートと一体化させるように十分な押さえを行います。

  • リリースオイルX塗布

    04.リリースオイルX塗布

    カラーハードナーXで着色したコンクリートが人が乗っても沈まない程度に硬化したら、リリースオイルXを塗布または噴霧します。

  • スタンプ(型押し)

    05.スタンプ(型押し)

    リリースオイルXを塗布した施工面にうっすらとした石肌模様が施された型押し用スタンプマットを複数枚置き、端から順にスタンプして模様を転写します。
    この作業でコンクリートの表面に石肌の表情を施します。叩いたマットはすぐにはずし順に前に送りながら繰り返し模様を転写します。

  • リリースオイルXカラー塗布

    06.リリースオイルXカラー塗布

    型押しした施工面にリリースオイルXカラーを塗布または噴霧します。
    リリースオイルXカラーが模様の凹部に流れ込み自然な陰影を醸し出します。

  • ペーパーテンプレート除去

    07.ペーパーテンプレート除去

    型押しが終了しリリースオイルXカラーによる陰影が施されたら、施工面を傷つけないように注意しながらテンプレートを除去します。
    テンプレートを除去することで目地部分のコンクリートが現れデザインとなります。

  • 洗浄・補修

    08.洗浄・補修

    1週間程度の乾燥養生期間を設けた後、余分なカラーリリースを除去し色調を整えるために水洗いを行います。
    補修が必要な場合にはこのタイミングで行います。

  • クリア―シールX塗布

    09.クリア―シールX塗布

    洗浄した水分が乾燥したら、最終仕上げに保護剤としてクリア―シールXを2回塗布して乾燥すれば完成です。


ペーパーコンクリートのメンテナンス方法

日常のお手入れ

ペーパーコンクリートは、施工直後より少し時間が経って、細かいほこりや多少の汚れがコンクリートの微細な隙間に入り込んだくらいの方がより自然に馴染ますので、あまり気にせずお使いください。
あえてしていただけるならば、大きなごみや砂を水で洗い流す程度で十分です。

メンテナンス

長期的には

とはいうものの、長期的に見ますと全く劣化しないわけではありません。劣化の主な原因は人や車の通行による擦り減りとコンクリート自体の経年劣化です。

ペーパーコンクリートで施工されたコンクリートは、表面が未処理の普通コンクリートに比べ2~3倍摩耗には強くなりますが、スタンプコンクリーとは違い目地部分がコンクリートの下地の色を利用している為、この部分だけ着色しないということができず、仮にかなり劣化した場合にも全塗装するなどのリニューアルの方法がとれません。
また、コンクリート自体の劣化はペーパーコンクリートであっても普通のコンクリートと同様に発生します。

一般住宅の駐車スペースのコンクリートなどをご覧いただければわかりますが、新設時には表面がつるつるしてキレイですが、5年10年と経過すると表面のセメント分が洗い流されて徐々に砂が現れザラザラしてきます。
ペーパーコンクリートもコンクリートですので、例外ではなく徐々に表面がざらざらしてきますが、それを遅らせるために仕上げ時にクリアーシールと呼ばれる無色のコーティング剤を塗布しています。
これにより、雨やコンクリートを侵す異物が外から侵入しにくくしています。

しかし、これもあくまで塗装で永久的なものではない為、この塗装が劣化して薄くなってくると保護の効果が少なくなってきます。
このクリアーシールの保護膜がなくなってしまっても使用上差支えはなく、普通コンクリートと同程度以上の耐久性は確保できますが、スタンプコンクリートのように最悪の場合に全塗装してしまうというリニューアルの方法がとれない為、スタンプコンクリートに比べ比較的交通量が少ない場所でお使いいただくか、同等の交通量の場所であれば保護膜が完全になくなってしまう前に、1~3年ごとにスタンプコンクリートに比べてより頻繁にクリアーシールの再塗付をしていただくことをお勧めします。
雨がかからない場所や屋内の床面ではあまりこの必要はございません。

施工実績